ブリッジの土台の歯が虫歯になったら、ブリッジがとれそう、はずれそうと自覚しはじめます。
そして、しばらく経過すると、ブリッジの土台の歯が折れてしまったり、ブリッジがグラグラしたり、最終的には歯を広範囲で失う可能性があります。
ブリッジの土台の歯が虫歯になった場合、歯を失ったり、歯がボロボロになっていることも少なくありません。
この記事では、ブリッジの土台が虫歯になったら、どのような治療方法が良いのか、どうすれば良いのかを解説します。
この記事の執筆は、歯がボロボロの状態や、歯を失った患者さんの治療を専門としている、学会やコンペティションで数々の受賞歴を持つ、東京の「このは歯科クリニック」の院長である小西が行っておりますので、今後の治療のご参考にされてください。
この記事の内容は、
- ブリッジの土台の歯が虫歯になる原因
- ブリッジの土台の歯が虫歯になったら、ブリッジを外す前に必ず知っておくこと
- ブリッジの土台の歯が虫歯になったら考える治療方法
- ブリッジの土台の歯が虫歯になった場合の治療の流れ
- ブリッジの土台の歯が虫歯になった場合の治療方法を選ぶポイント
ブリッジの土台の歯が虫歯になる原因
ブリッジの土台が虫歯になる原因は、様々な要因がありますが、以下の原因が多く見受けられます。
- ブリッジと土台の歯をとめている接着剤の経年劣化により、隙間から虫歯になる
- もともとブリッジが土台の歯に合っていないため、隙間から虫歯になる
- ブリッジで歯が磨きづらく、汚れがたまり虫歯になる
- ブリッジで歯の負担が大きく、土台の歯にヒビがはいり、その隙間から虫歯になる
- 噛み合わせが悪く、ブリッジが揺さぶられ、隙間から虫歯になる
以上のような状態で、自覚症状がでてくればわかりやすいですが、実は多くの方は、ブリッジの土台の虫歯が進行し大きくなるまで気がつきません。
ブリッジの土台が虫歯になって症状が出始め、当院に来院された際に、「かかりつけの歯医者に定期的に検診やメンテナンスに行ってたのに虫歯と言われなかった」とお話しされる患者さんもいらっしゃいます。
お気持ちは大変わかりますが、実は内部でブリッジや被せ物の土台で虫歯になっているどうかは被せていると、なかなか視診でもレントゲン検査でも判断しがたいのが現実です。
ただし、私の臨床実感で申し上げると、保険内治療の金属のブリッジや、保険治療の詰め物や被せ物を症状もない状態で外すと、ほとんどの場合、虫歯が進行しています。
実際、ブリッジを装着した追跡調査によると、メタルブリッジを装着した10年予後は31,9%であり、その多くの原因が2次う蝕というブリッジを装着した土台の歯が虫歯になったことであるとされています。
また、保険内治療の詰め物や被せ物においても、10年予後は50~60%と大半は再治療が必要となり、ほとんどの原因は虫歯であると報告されています。
(参考文献:臼歯部修復物の生存期間に関連する要因,青山ら,口腔衛生会誌 J Dent Hlth 58:16−24,2008)
以上のことから、保険内治療でブリッジで治療を受けた場合は、ブリッジの土台の歯が虫歯になること、なっていることは想定した方がいいということになります。
しかし、保険外のブリッジでも、ブリッジの土台の歯が虫歯になっていることも多く、
ブリッジ治療をする際や、再治療で再度ブリッジにするかどうかは十分な検討が必要であると言えます。
ブリッジの土台が虫歯になって、ブリッジを外す前に必ず知っておくこと
では、ブリッジの土台が虫歯になったら、すぐ外した方が良いのかという点ですが、
結論から言いますと、まずその後の治療方法を考えてからブリッジを外すことが望ましいと言えます。
理由は、ブリッジの土台が虫歯になっている場合、ブリッジを外すと歯がボロボロで抜歯をせざるを得ない状態だった場合、仮歯すら入れることができないからです。
ブリッジの土台の歯が虫歯になったら、ブリッジを外した後の仮歯までのことも大切ですが、
最も大切なのが、結局歯を治療で残せたものの、強くはない状態の歯のことや、現在は症状はないものの、他に同じようになりうる歯をどう考えて治療方法を選択するかということです。
残念ながら、失った歯の部分だけをその都度、考えていく治療の場合、最終的に全ての歯が抜歯に至るまで、治療の繰り返しで歯の悩みが尽きず、年齢を重ねるごとにさらにその深刻度も増してきます。
特に50代60代の方においては、ブリッジの土台の歯が虫歯になったことをきっかけに、このままその都度の治療で良いのか、と今後の治療方法を考えるきっかけになれば、今後歯で悩むことも少なくなると思います。
ブリッジの土台の歯が虫歯になったら考える治療方法
ブリッジの土台が虫歯になったらどのような治療方法が良いのでしょうか。
ブリッジの土台の歯が虫歯になったり、ブリッジの土台の歯が歯周病になったりした場合、失う歯が増えてしまったり、歯が残っても歯がボロボロということも少なくありません。
【関連記事】50代60代で総入れ歯にしたい方へ|歯が1本でも残せるならこの治療方法で解決
ブリッジの土台の歯が虫歯になった際の再治療の治療方法で、再度ブリッジができない、または選択しない場合、インプラントか入れ歯という選択肢となります。
「入れ歯」と聞くと、ネガティブなイメージを持たれている方も少なくありません。
実際、従来の入れ歯ですと、噛めない、引っかけた歯が悪くなる、見た目が気になると患者さんが不自由なことも、しばしばです。
しかし、インプラントの場合、骨に埋め込むインプラントの本数が多くなることや、外科手術をしたくない、将来のことが心配など、患者さんによっては不安が尽きない方もいらっしゃいます。
そして前述したように、ブリッジが入っていた歯以外の他の歯も将来同じようにインプラント治療を受ける可能性があることも考えると、
肉体的負担、精神的負担だけではなく、金銭的負担も悩みどころです。
インプラント1本約50万円で考えると、インプラントの場合、この先治療費用がトータルでどれくらいかかるのかという視点も大切です。
当院では、ブリッジの土台が虫歯になった患者さんや、歯がボロボロの方を専門にしております。
特に50代60代では、これまで治療した歯や、治療していなくても歯が悪くなってきたりと、歯がボロボロになりやすくなってきます。
そこで、将来を見据えて治療方法を提案し、インプラントを始め様々な治療を行っております。
【症例集】歯がボロボロでも綺麗になれるBefore、After!治療方法と費用を掲載
当院では、インプラント治療以外でご希望の場合、従来の入れ歯でもない、「ドイツ式入れ歯」と言われる「テレスコープ義歯」を推奨しています。
【関連記事】テレスコープ義歯を完全解説!特徴、種類、メリット、費用は?
このテレスコープ義歯においては、全国の歯科医師向けに講演や教科書も執筆しておりますので、ご安心ください。
また、このテレスコープ義歯やインプラント治療のような歯を失った方の歯がボロボロで、
私が治療を行なった症例を発表し、これまで日本最大規模の学会やコンペティションのコンテストで何度も全国で最優秀賞やアワードをいただいております。
【院長紹介】症例コンテストで数々の受賞歴を持つ院長の経歴紹介
今回は、ブリッジの土台が虫歯になったり、ブリッジが外れそうな方が、再治療をする際に、インプラント治療ではない場合の、テレスコープ義歯の治療を紹介します。
【関連記事】テレスコープ義歯を完全解説!特徴、種類、メリット、費用は?
「ドイツ式入れ歯」と言われる「テレスコープ義歯」で治療する場合
【関連記事】テレスコープ義歯を完全解説!特徴、種類、メリット、費用は?
このようにブリッジの土台の歯が虫歯になったら、ブリッジがとれそうになったら、
残せる歯、残せない歯で歯のないところも、テレスコープ義歯の場合、全て治療ができ、残せた歯も守れて将来的な歯のトラブルにも対応できるメリットがあります。
【関連記事】テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)は何年使えますか?テレスコープ義歯の寿命を解説
初診時は、治療の前にお悩みをお伺いし、治療のご相談から行いますのでご安心してお越しください。初診は5500円(保険外診療)です。
ブリッジの土台の歯が虫歯になった場合の治療の流れ
このように、当院では、仮の歯や義歯を装着してから、ブリッジの土台の歯の虫歯治療を本格的に治療していきます。
なお、このような治療方法は、保険内治療では認めれておらず、全ての治療が保険外治療となります。
当院では、テレスコープ義歯で治療する場合は、治療開始から仮歯の用意や最後の歯を入れ調整し、終了するまでの治療費用を含めおよそ200万円~300万円です。
当院は、担当歯科医師に関わらず、明確なパック治療として明朗な治療費用設定にしております。
【関連記事】テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の値段費用を教えてください
インプラントが1本およそ50万円ということを考えれば、将来も含め、インプラントにかかる費用が心配な方もいます。
テレスコープ義歯は、現在歯がないところも、これから悪くなるかもしれない歯、現在は大丈夫でも今後歯で悩まないように、先に全ての歯を治療します。
テレスコープ義歯の治療費用は安いものではありませんが、将来的なコストパフォーマンスで考えれば、非常に優秀で合理的なドイツ生まれの治療方法と言えます。
【関連記事】テレスコープ義歯を完全解説!特徴、種類、メリット、費用は?
ブリッジの土台の歯が虫歯になった場合の治療方法を選ぶポイント
ブリッジの土台が虫歯になったら、インプラントや従来の入れ歯以外にも、
ドイツ式入れ歯と言われるテレスコープ義歯という治療を視野に入れて考えることをお勧めします。
特に、ブリッジの土台が虫歯になっている場合、他の歯も今後注意しなければなりません。
テレスコープ義歯の場合、ブリッジの土台の歯のみではなく、全体を始めにきちんと治療し、今後の歯を失うかもしれないという事態に備えることができます。
もし、将来抜歯に至っても簡単な修理で対応できますので、心配する必要はありません。
ただし、テレスコープ義歯が、長持ちするか、しっかり噛めるか、見た目が自然かどうかなどは、歯科医師の設計や知識、技術によって非常な大きな差が出ます。
テレスコープ義歯の最大のデメリットは、歯科医師によって大きな治療結果の差が生じてしまうことです。
患者さんが困らないように歯科医師向けに、テレスコープ義歯について大学病院の教授陣ではなく、私が全国で代表してテレスコープ義歯の教科書も多数執筆、依頼講演も数多くしています。
実際、当院では他院でテレスコープ義歯の治療を受け失敗してしまったり、予後不良で全て治療をやり直しというのも、残念ながら数多く行なっております。
そのため、テレスコープ義歯や、歯がボロボロで全体的に治療する場合は、歯科医院、歯科医師をよく選ぶことが重要となります。
【院長紹介】全国から患者さんが来院!症例コンテストで数々の受賞歴を持つ院長の経歴紹介
初診時は、治療の前にお悩みをお伺いし、治療のご相談から行いますのでご安心してお越しください。初診は5500円(保険外診療)です。
最後に、ブリッジの土台が虫歯になった場合の治療方法を選ぶポイントをまとめます。
他の歯が治療の履歴もなく健康で、1本2本の歯を失った箇所が少ない方は、インプラント、
全体的に詰め物や被せ物が多く、噛み合わせが崩れてしまっている場合などは、テレスコープ義歯が向いていることが多いです。
ただし、上記は一概には当てはまらないため、
まずは、患者さんのお悩みをお伺いし、様々な治療方法や治療費用、メリット、デメリットを比較して今後将来、歯の悩みがなくなるようなお手伝いができればと思います。
初診時は、治療の前にお悩みをお伺いし、治療のご相談から行いますのでご安心してお越しください。初診は5500円(保険外診療)です。
執筆者 このは歯科クリニック 院長 小西 浩介