【解説】テレスコープ義歯のデメリットとは

【解説】テレスコープ義歯のデメリットとは

院長の小西です。

今回はテレスコープ義歯のデメリットを中心に解説します。

この記事の内容は、

  1. テレスコープ義歯とは
  2. テレスコープ義歯のメリット(インプラント、入れ歯と比較)
  3. テレスコープ義歯のデメリットとは
  4. テレスコープ義歯のデメリット、リスクを減らすためには

以上について書いています。

 

テレスコープ義歯とは

テレスコープ義歯とは、歯がボロボロの方や歯がグラグラの方で、インプラント治療やブリッジではない治療方法で『取り外しができるブリッジ』のような義歯です。

治療して残すことができるご自身の歯を活かし、守りながら義歯を安定させる従来の入れ歯とは異なる方法です。

 

テレスコープ義歯の歴史は古く、130年以上も本場ドイツで今もなお臨床で応用されています。そのため、患者さん向けにはわかりやすく『ドイツ式入れ歯』という表現もしております。

テレスコープ義歯の詳細は【ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)とは】をご覧ください。

 

テレスコープ義歯のメリット(インプラント、入れ歯と比較)

どのような治療においてもメリット(利点)、デメリット(欠点)は存在しますが、テレスコープ義歯にもメリット、デメリットは存在します。

まずメリットを以下に挙げます。

・インプラント手術のような外科手術がない

・全体の歯がボロボロ、歯がグラグラの方は全ての歯が治療でき守ることが可能

・歯が喪失しても修理が可能である

・従来の入れ歯と比べて、審美的で違和感が少なく、就寝時も外す必要がない。

 

メリットだけ見れば優れた方法ではありますが、これからテレスコープ義歯を検討される場合は、必ず以下のデメリットをご確認いただければと思います。

 

テレスコープ義歯のデメリットとは

まずは、テレスコープ義歯のデメリットを以下に列挙しそれぞれ詳しく解説していきます。

  1. 全体的な歯が健康(治療の履歴が少ない)、かつ歯を失っている本数が1本のみという患者さんにはメリットが少ないため、デメリットが上回る
  2. 歯科医師によって技術が大きく差があるため、不具合や予後不良を回避するために、歯科医院選びではなく歯科医師選びが重要
  3. 治療を受けれる歯科医院が少ない
  4. テレスコープ義歯は保険内診療では行うことができず保険外診療(自由診療)のため、高額(約200万円〜300万円程度)となる

それでは1つ1つデメリットを解説していきます。

 

1.全体的な歯が健康(治療の履歴が少ない)、かつ歯を失っている本数が1本のみという患者さんにはメリットが少ないため、デメリットが上回る

 

テレスコープ義歯は、全体の歯がボロボロ、歯がグラグラの方であっても全ての歯を治療し、内冠(ないかん)と呼ばれるキャップを削った歯に被せて、内冠に被せる外冠(がいかん)を被せます。

内冠は接着剤で歯に固定し取れません。外冠は患者さん自身が取り外しができる構造です。

取り外しができるため、弱い歯が将来的に喪失しても修理で対応可能なため、将来的なリスク管理ができることが大きなメリットであります。

 

しかし、全体の歯が健康な方は、テレスコープ義歯を選択するメリットを受けることは少ない可能性があります。

例えば、銀歯や被せ物がほとんどない、歯を失っている本数が1本といった症例です。

つまり、歯が悪くなるリスクが高くはないと判断する場合です。

このような症例は当院ですと、インプラントまたはブリッジを提案することがほとんどです。

 

2.歯科医師によって技術が大きく差があるため、不具合や予後不良を回避するために、歯科医院選びではなく歯科医師選びが重要

 

デメリットの中でも最も注意が必要なのは、テレスコープ義歯治療を受ける際の歯科医師選びです。

このテレスコープ義歯は歯科医療の中でもかなり難しい治療のジャンルとされており、歯科医師の技術によって大きく差が出やすい治療です。

テレスコープ義歯と言っても1種類のものではなく、コーヌステレスコープ、レジリエンツテレスコープ、リーゲルテレスコープといった様々なテレスコープ義歯が存在します。

 

その中からどれを選択するか、なおかつどのような設計にするかはその歯科医師の判断によって異なることがしばしばです。それぞれに適応症、禁忌症の他にいかに治療終了後に患者さんが困らないかという歯科医師の判断が重要です。

例えば、少し専門的になりますが、他院で全ての歯をリーゲルテレスコープにしたいが、そこから当院を行き着き、私に治療してほしいといった患者さんは当院に多く来院されます。しかし、私はリーゲルテレスコープは片側遊離端と言う一番後ろの奥歯の2本分が欠損した症例にしか応用しておりません。

全ての歯をつなぐと、どこかの歯に何かあった際に対処できず、全て一からやり直しとなります。イメージで言うと、全ての歯をつなぐ大型のブリッジと同じ設計です。

テレスコープ義歯のメリットは何か歯にあった際、つまり最悪歯を抜かないといけなくなった時の対応が容易であることです。

このように、全ての歯の先読み(診断)をし、それを日本人の歯の喪失傾向のデータと照らし合わせ(エビデンス)、患者さんの年齢や背景を考慮したテレスコープ義歯の選択と設計が極めて重要です。

ただし、同じ選択と設計をしたとしても、その手順や、歯の削り具合、噛み合わせの技術や1本1本の歯を虫歯治療や歯周病治療などの総合的に治す技術など確実に差が出ると言わざるを得ません。

テレスコープ義歯の場合、総合的に治す技術、専門的な技術が求められるため、どれほどの実績があるかなど歯科医師選びが極めて重要となります。

 

3.テレスコープ義歯の治療を受けれる歯科医院が少ない

 

以上の理由により、歯科医師の専門的な技術が求められるため、テレスコープ義歯の治療を受けられる歯科院は少ないのが現状です。テレスコープ義歯を取り扱っていても専門的に治療できるかどうかは患者さんのリサーチ力にも左右されるところです。

 

4.テレスコープ義歯は保険内診療では行うことができず保険外診療(自由診療)のため、高額(約200万円〜300万円程度)となる

 

テレスコープ義歯に関連する治療は、保険内診療では認められておりません。すべて保険外診療(自由診療)となります。したがって、テレスコープ義歯が入るまでに必要な虫歯治療や歯周病治療から噛み合わせ治療に必要な仮歯、仮義歯も全て保険外診療(自由診療)となるため必要な治療費を合算する高額となります。

当院ではテレスコープ義歯の場合は、これらの治療を含んだ治療費として約200万〜300万円がかかります(医療費控除の対象)。

当院ではお口の中を診察後に最終的なテレスコープ義歯の種類と設計を歯科医師が決定し、患者さんと相談した上で治療費用をお伝えしております。

ご自身のお口の中の状況でどれほどの治療費用が必要かは、来院されてからのご相談となりますが、当院の【症例集】では治療前および治療後の写真を掲載しています。

そちらではテレスコープ義歯の種類や治療費用を掲載をしていますので、ご自身に近い症例を探していただければ、来院前におよその費用感が把握できると思います。

 

当院ではテレスコープ義歯以外にもインプラントやその他の義歯(自由診療のみ)でも対応できますので上下全ての歯を治療する場合の治療費を抑えるご提案も可能ですので、まずはご来院されて歯科医師にご相談いただければと思います。

担当する歯科医師によらず、治療費用は一律です。また、一貫して同じ歯科医師が担当しますのでご安心いただければと思います。

テレスコープ義歯の費用を確認したい方はこちらの【ご質問】テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)に値段費用を教えてくださいをご覧ください。

テレスコープ義歯のデメリット、リスクを減らすためには

 

今回はテレスコープ義歯のデメリットを中心に解説しました。

このようなデメリットを理解し、歯科医師の技術に大きく左右されることから、歯科医師選びには注意して適切な治療を受けれるようにしましょう。

当院ではテレスコープ義歯を中心とした全体的な歯がボロボロ、歯がグラグラの治療を専門的に行っております。

このような治療を行った症例発表で学会やコンペティションにて、何度も最優秀賞を受賞しております。

 

また、全国の歯科医師向けにテレスコープ義歯の依頼講演や依頼執筆も手掛けておりますので、ご安心してご相談ください。

詳しくはこちらの【院長実績】もご覧ください。

小西浩介

 

 

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