インプラント以外の方法を徹底解説

インプラント以外の方法を徹底解説

歯を失ったときの選択肢として、インプラント治療がありますが、金属製の人工歯根を骨に埋入する治療であるため、外科手術が伴うリスクや、将来的なことも考えなければなりません。

そのため、インプラントは怖い、やりたくない、身体的にできないなどの患者さんも少なくありません。

 

しかし、インプラント以外にも多くの治療方法があります。

 

今回は、インプラント以外の方法として、ブリッジ、入れ歯に加え、新しい選択肢であるドイツ式入れ歯と言われる「テレスコープ義歯」を含めた各種方法のメリット、デメリット、費用値段を比較し徹底解説します。

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この記事の執筆は、歯がボロボロの状態や、歯を失った患者さんの治療を専門としている、学会やコンペティションで数々の受賞歴を持つ、東京の「このは歯科クリニック」の院長である小西が行っておりますので、今後の治療のご参考にされていただければと思います。

この記事の内容は、

  1. インプラント以外の方法とは
  2. インプラントのメリット、デメリット、値段費用
  3. ブリッジのメリット、デメリット、値段費用
  4. 入れ歯のメリット、デメリット、値段費用
  5. テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)のメリット、デメリット、値段費用
  6. どの治療方法がベストか

インプラント以外の方法とは

インプラント以外の方法は、ブリッジ、入れ歯の他に、新しい選択肢であるドイツ式入れ歯と言われる「テレスコープ義歯」があります。

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インプラント以外の方法をそれぞれ説明します。

ブリッジ

ブリッジとは、失った歯の両隣りの歯を削って土台とし、それにかぶせものと失った歯に人工のダミーの歯をぶら下げたものです。

取り外さない固定式の人工の歯となります。

ブリッジ

入れ歯

入れ歯とは、歯を失った部分を人工の歯と歯茎で補う治療方法です。

ブリッジができない、したくない方の治療方法で、固定式ではなく取り外し式の人工の歯となります。

 

入れ歯は総入れ歯と部分入れ歯の2つのタイプがあります。

総入れ歯は全ての歯を失った場合に使用され、歯茎にフィットするよう作られます。

 

一方、部分入れ歯は一部の歯を失った場合に使用され、まだ残っている歯に入れ歯の支えとして針金(クラスプ義歯)やピンクの樹脂のようなもの(ノンクラスプ義歯)で支えます。

 

 

テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)

ドイツ式入れ歯と言われる「テレスコープ義歯」は1886年頃にヨーロッパで開発され、現在もドイツをはじめとするヨーロッパで多くの臨床実績と歴史がある治療方法です。

 

日本では「入れ歯」と聞くと「老い」のイメージですが、テレスコープ義歯は、従来の入れ歯とは全く異なります。

 

お口の中がボロボロの状態であっても治療して残せる歯と、失った部分とを一括に補う「取り外し式のブリッジ」に近い治療方法です。

 

従来の入れ歯のように外から金具がみえることがないため、見た目がとても自然で、食事もとることができます。

 

テレスコープ義歯の治療前

治療前

 

テレスコープ義歯の治療後

テレスコープ義歯の治療後

 

【関連記事】テレスコープ義歯 ドイツ式入れ歯とは?テレスコープ義歯の種類、費用を解説します。

 

インプラントのメリット、デメリット、値段費用

インプラント治療とは、歯を失ったところに、金属製の人工歯根をあごの骨に埋め込み、その上から被せ物をのせる治療方法です。

 

インプラント

 

一般的なインプラント治療の手順としては初めに歯がない部位の歯肉を切開し、剥離しあごの骨を直視できる状態にします。

 

そしてドリルで骨に穴をあけ、そのスペースにチタン合金である金属の人工歯根であるインプラント体(たい)を埋め込んでいきます。

 

その後、約3~6か月後に骨とインプラント体がしっかりと生着したら、インプラント体に連結するパーツを取り付け被せ物を装着したら完成です。

 

治療前

治療前

 

下の奥歯2本にインプラント治療を行った治療後

下の奥歯2本にインプラント治療を行った治療後

 

 

インプラントのメリット

 

インプラントの最大のメリットは、ブリッジのように隣の歯を削る必要がないこと、ブリッジのように他の歯に負担はさせないため、周囲の歯に負担をかける心配が少ないことです。

また、インプラントは顎の骨に固定されるため、安定した装着感があります。

 

 

多くの歯科医院では歯を失うと、インプラントの提案になりがちですが、メリットばかりではありません。

 

インプラントを検討している場合は必ずデメリットを歯科医師から説明を十分に受けることをお勧めします。

 

インプラントのデメリット

インプラント治療にはいくつかのデメリットが存在します。

 

まずは、外科手術が必要なため、身体的な負担が大きいことが挙げられます。

 

手術では歯茎を開いて人工の歯根(ネジ)を顎の骨に埋め込むため手術後には痛みや腫れが生じることが一般的です。

 

手術の影響で、知覚麻痺や大量出血、上あごのインプラントの場合は副鼻腔炎という蓄膿症を誘発する可能性もあります。

 

そもそもインプラントを埋入するためには、顎の骨が十分に厚くなければならず、骨が不足している場合は骨造成手術が必要となります。

 

骨造成手術は追加の負担をかけ、治療期間を延長します。それに加え、骨造成をした部分は感染する可能性もあります。

 

骨造成とインプラント治療で上顎洞炎

他院で骨造成とインプラント治療を受けるも上顎洞炎(蓄膿症)を引き起こしている状態。患者さんは強い痛みを感じていた。

 

撤去したインプラント

当院で手術により撤去したインプラント

 

インプラントを撤去しても感染と炎症

インプラントを撤去しても感染と炎症が取れない状態が続く。

 

また、インプラントは天然歯と同様に、歯周病になりえます。

 

インプラント周囲炎とよばれ、インプラントがかかる歯周病の状態です。

 

インプラント周囲炎

他院で入れた3本のインプラントの部分が、噛んだら痛いという主訴。インプラント周囲炎に罹患している状態。

 

撤去したインプラント

当院で手術により撤去したインプラント

 

撤去したインプラント2

当院で手術により撤去したインプラント

 

インプラント撤去後

撤去したインプラントの部分は炎症が続いている。

 

インプラントは快適な面、メリットはあるものの、歯科医師に患者さん個々に合わせたデメリットやリスクを包み隠さず教えてもらい相談することが重要と言えます。

 

インプラントの値段費用、治療期間

 

当院ではインプラント体とインプラントの被せ物を全て入れておよそ50万円程度です。※保険外診療

 

治療期間はおよそ4~6か月程度です。

 

この治療期間の幅は、骨の厚みや骨の質によってインプラントが骨に生着する期間が変わるからです。

 

骨造成が必要な場合は2年程度かかる可能性もあります。

 

インプラント体は必ず骨に生着するとは限りません。

 

ブリッジのメリット、デメリット、値段費用

 

ブリッジは、失った歯の両隣りの歯を削って土台とし、それにかぶせものを装着して、あいだに人工のダミーの歯をぶら下げたものです。

 

土台の歯とブリッジは歯科用セメントで接着されるため、入れ歯のように取り外すことはありません。

 

土台になっている歯が安定していればしっかり噛むことができます。

 

ブリッジの治療前

ブリッジの治療前

 

ジルコニアブリッジ

ジルコニアブリッジ(保険外治療)の治療後

 

一方で土台となる歯が神経のない歯や状態の良くない歯ということがあります。

 

その場合、ブリッジで力が通常以上にかかりますので、歯の状態がより悪化しやすいことが考えられます。

 

ブリッジの最大のデメリットは、ブリッジを支える歯のどちらかに支障が起きれば、装着したブリッジを壊して外し再度治療が必要となることです。

 

また、ダミーの部分に汚れが溜まりやすいため、歯周病や虫歯になりやすい環境となります。

 

取り外せないため、その汚れも除去しにくいという特徴です。

 

当院には、以前治療したブリッジの歯が歯周病や虫歯でグラグラ、ボロボロになってしまった、とご相談にこられた患者さんがたくさん来院されます。

 

そのほとんどの方は大型のブリッジを装着していたり、お口の中にブリッジが多数存在する状態です。

 

上顎にブリッジが多数

上顎にブリッジが多数入っており、虫歯や歯周病に罹患している。

 

ブリッジがボロボロ

ブリッジを外すとほとんどの歯が傷んでいる状態。

 

このような状態の場合は、そのブリッジが崩壊すると日常生活が困難となる方も多いため、歯が全体的に悪くなってきた場合にブリッジを選択する場合は、よく歯科医師と相談して決めることをお勧めします。

 

保険内治療のものでは、虫歯になる可能性や噛み合わせの観点から保険外治療をご提案しています。

 

当院でのブリッジの治療費用は歯1本あたり15万円程度ですので、歯1本欠損で両隣の歯でブリッジにする場合、被せ物3本となるため、およそ45万円程度です。

治療期間はおよそ3か月程度です。

 

入れ歯のメリット、デメリット、値段費用

 

保険内診療で行われる一般的な部分入れ歯は、残っている歯に入れ歯を支えるための金属(クラスプ)を取り付ける部分入れ歯です。クラスプ義歯と言います。

 

ブリッジのように歯を削る必要はありませんが、デメリットがあります。

 

まずは入れ歯の支えにしていた歯に負担がかかりすぎてしまうことです。

 

はじめは少し歯が揺れてきて最終的には抜けてしまう場合もあります。

 

残っている歯で支えているといっても固定しているわけではなく、ひっかけているだけなためどれだけ気をつけていても、噛んだときや食事をするときに負荷がかかってしまいます。

 

保険治療の入れ歯

保険治療の入れ歯で歯がどんどん抜けてきている状態

 

また、クラスプ義歯は、針金が見えてしまうため、見た目を気になる患者さんは非常に多い印象です。

 

クラスプ義歯

クラスプ義歯

 

クラスプ義歯の見た目

クラスプ義歯の見た目

 

次に、クラスプは簡単なバネであり、奥歯などの力のかかる場所で物を嚙むと、動いてしまい、痛みや違和感が生じやすくなります。

 

また、銀色の針金が見た目を阻害してしまいます。

 

それを改善しようと保険外治療のノンクラスプ義歯といった針金がピンクの樹脂に変わったものもありますが、歯に引っ掛けるという仕組みはクラスプ義歯とは変わりませんので注意が必要です。

 

クラスプ義歯

治療前:クラスプ義歯を装着している状態。

 

ノンクラスプ義歯

治療後:ノンクラスプ義歯を装着している状態。

 

最後に、嚙み合わせが合いにくいこともデメリットです。

 

入れ歯に違和感がある大きな理由に、嚙み合わせがうまくいかないことがあげられます。クラスプ義歯は安定しづらいため、嚙み合わせが安定しにくいことがあります。

「しっくりとこない」というお悩みはここからきています。

 

ノンクラスプ義歯は特殊なたわむ樹脂でできているため、そもそも食事の際にたわんで噛みにくいということもあります。

 

当院では保険内治療のクラスプ義歯は推奨しておらず、保険外治療のノンクラスプ義歯の治療費用でおよそ30万円から40万円程度で、治療期間はおよそ3か月程度です。

 

テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)のメリット、デメリット、値段費用

 

テレスコープ義歯は従来の入れ歯とは全く異なる「取り外しができるブリッジ」の新しい入れ歯の種類です。

 

メリットは歯を全体的に治すことができ、今後歯を追加で喪失しても簡単な修理で対応できること、従来の入れ歯のような針金やノンクラスプ義歯のようなものではないことです。

 

ブリッジの歯がボロボロ

ブリッジを外すとほとんどの歯が傷んでいる状態。

 

テレスコープ義歯

テレスコープ義歯の状態。歯は内部に残している。

 

テレスコープ義歯の見た目

テレスコープ義歯の見た目。自然で食事も不自由なく生活できている。

 

ブリッジが取り外せるというような構造であるため、お手入れもいき届きやすく、従来の入れ歯では推奨されていない就寝時も装着可能です。

 

現在、歯がボロボロでお困りの方や、今後も悪くなりそうな歯がある方には非常に向いている治療となります。

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デメリットは治療費用が保険外治療で状態によりますが、およそ150万円~300万円程度かかるため、初期費用がかかることです。

 

しかし、インプラントを将来も含め何本か行う想定をすれば結果的に安価になる可能性が高くなります。

治療期間はおよそ6か月~1年程度です。

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どの治療方法がベストか

 

インプラントを含めてどの治療方法もメリット、デメリットが分かれるため、選択するのは患者さんにとって難しいのが現状です。

 

お口の中の状態、失った歯以外の歯の状態や、全体の噛み合わせなどを診断し、患者さんの希望を十分に汲み取って患者さんにベストな治療を一緒に相談し決めていくことをお勧めします。

 

当院ではカウンセリングルームで、初診時はお悩みをお伺いし、治療の相談を行います。

 

当院ではまずは初診時にはすぐに治療は行わず、患者さんのお悩みや不安なことをお伺いし、現在のお口の中の状態を診察します。

 

そして必要な検査をしてから治療の種類や費用もトータルで相談しています。

 

治療計画の説明

治療の種類をメリット、デメリット、費用を全てご説明しています。

 

まずは、一度ご相談いただければと思います。

 

初診時はご相談のみで初診料5500円です。

 

当院では患者さんの肉体的な負担の少なく安全なインプラント治療、保険外治療のブリッジや入れ歯、テレスコープ義歯といった様々な治療で患者さんに合った治療ができますので、ご安心してご来院ください。

 

当院には、北は北海道、南は鹿児島の全国から患者さんが多数来院されています。

 

ご自身がどのような治療でどうなるかは、実際に治療した患者さんの実例を症例集に多数紹介しておりますので、ご参考にされてください。

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執筆者 院長 小西 浩介

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日付:   カテゴリ:歯のお悩みブログ

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