【50代男性】全体的にボロボロになった歯をインプラントではなく、ドイツ式入れ歯できちんと治したい。
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- AFTER
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- AFTER
Sex : male
Name : 50代男性
主訴 | 歯がボロボロになり、歯を失ったところが増えて噛めなくなり、インプラントかドイツ式入れ歯かの治療で悩んでいるが、できればドイツ式入れ歯で治療をしてほしい。 |
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治療内容 | 上下顎コーヌステレスコープを用いた欠損補綴治療、ドイツ式入れ歯治療、テレスコープ義歯治療、歯周病治療、根管治療、虫歯治療、噛み合わせ治療 |
治療費 | 上顎:7本の歯を利用したコーヌステレスコープ308万円(税込) 下顎:13本の歯を利用したコーヌステレスコープ308万円(税込) ※治療費は治療当時の治療費用です。現在の費用と異なる場合があります。 |
リスク | 口腔内に変化があるため慣れが必要 |
歯がボロボロでお困りの方治療専門、このは歯科クリニック(東京都文京区)院長の小西浩介です。
今回は、歯がボロボロで噛めなくなってきたというお悩みの患者さんにインプラントではないドイツ式入れ歯と言われるテレスコープ義歯で治療した症例を解説します。
当院には、歯でお困りで、全国からインプラントではないドイツ式入れ歯と言われるテレスコープ義歯で治療をご希望される方が多数来院されています。
この記事の執筆は、ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)の治療を専門としている、学会やコンペティションで数々の受賞歴を持ち、全国の歯科医師にドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)の内容で、多数の依頼講演と執筆を行う東京の「このは歯科クリニック」の院長である小西浩介が行っておりますのでご参考にされてください。
今回、お困りの患者さんの内容
50代男性、主訴は歯がボロボロになり、歯を失ったところが増えて噛めなくなり、インプラントか入れ歯かの治療で悩まれていた患者さんです。

治療前
奥歯が左右で何本も失っており、奥歯がないことで前歯を含め他のご自身の歯がすり減ったり、欠けている状態で、虫歯や歯の神経が傷んでしまっている部分もあります。

治療前
また、奥歯は過去に保険内治療で治された銀歯も古いもので、銀歯の周りから虫歯になっていることも確認できます。

治療前の口元
そして、奥歯がないことや、歯が大きく欠けてしまっていることから見た目も気にされており、食事も取りづらく、何年も歯に悩んでおり、このままではいけないと思われ今回一大決心をして歯を治そうと思ったとのことでした。
インプラント専門の歯科医院、入れ歯専門の歯科医院に相談に行くも、自身の治療を決めきれない状態でした。
私からは、それぞれのメリットデメリットを中立な立場で説明し、今後の再治療を極力減らすために、入れ歯治療の1つのテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)で治療を行った患者さんです。
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治療の流れ
①治療前のご相談、カウンセリング
患者さんは上の歯がないところにインプラントか入れ歯を入れようか迷っていました。
私からは歯を失った部分だけではなく、他の歯が悪くなっていることを伝え、将来を見据えて歯を失ったところだけではなく、お口の中全体を治さないと再治療の繰り返しになってしまう現状をお伝えしました。
歯を失った部分に歯を入れるのみの治療では、崩れてしまった噛み合わせを治すことができず、せっかく歯を失った部分に歯を入れる治療が長持ちしにくいことや、歯を入れたけどうまく噛めないという事態が想定されることをお伝えしました。
まずは、どのような治療を選んでいくかの前に、全部の歯の状態や噛み合わせの検査をした上で、現在どういう状態か、どのような治療の選択肢があるのか、それぞれの費用、期間、メリットデメリットをお話しすることになりました。
②お口の中全体の精密検査、病態の診査診断
全体的な精密検査(レントゲンや噛み合わせ検査等)を行い診査診断の結果、虫歯、歯のすり減り、被せ物の不適合、かみ合わせのずれがありました。
そのため、全体の歯が良くないことからも、全体の歯を治療してかみ合わせから治さないと、歯が再び同じように悪くなったりすることの重要性をお伝えしました。
③治療計画の立案・説明(カウンセリング)
そして、歯を失った部分をインプラントやテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)かどちらにしていくかや、お口の中全体的に治療をしていく必要性を説明して、メリットデメリット、費用を考えて、以下の治療の選択肢を提示しました。
(A)残った歯に固定式で外さないブリッジや被せ物と
(A-1)プラス上顎の歯のないところには部分入れ歯
または
(A-2)プラス上顎の歯のないところにはインプラント
という治療の選択肢です。
(A-1)の残った歯に固定式で外さないブリッジや被せ物と上顎の歯のないところには部分入れ歯
の計画にすると、歯を治してももともと弱い状態であるため、また悪くなった度に大掛かりな治療が必要となります。
そして従来の入れ歯では、ご自身の歯に入れ歯をひっかけないといけないため、悪くなってしまう可能性が高まります。
せっかく全体的に治療をするのであれば、後に出てくるドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)の方がご自身の歯に負担をかけづらく、なおかつ自分の歯を失ったとしても簡単な修理で済むのではないかとお伝えしました。
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(A-2)の固定式で外さないブリッジや被せ物と上顎の歯のないところにはインプラント
の計画は、インプラントを奥歯に何本も骨に埋め込む必要があり、この患者さんの上あごの骨があまりなかったことから、骨造成(骨を増やす手術)も必要です。
インプラントが将来的にダメになるリスクも十分お話をしました。
また、(A-1)と同じようにまた将来大きな治療が考えられるとともに、その歯を失うとインプラント治療の繰り返しとなることが予想されます。
歯を失うであろう箇所にインプラント治療と、上下全ての歯の被せ物治療を入れて最低の見積りはおよそ800万円〜(保険外診療)はかかり、治療期間はインプラントが骨と生着する時間も入れると最低2年はかかることをお伝えしました。
(B)上の歯は取り外し式の入れ歯(ドイツ式入れ歯、テレスコープ義歯)、下の歯は取り外し式のブリッジ(ドイツ式入れ歯、テレスコープ義歯)
全ての歯を治療して取り外しができるブリッジのような入れ歯で、インプラント治療のように骨に埋め込む手術もなく、今後歯を失っても作り替えを行う可能性が低い義歯です。
相談した結果、今回は、ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)の種類の1つであるコーヌステレスコープを上下にすることを提案しました。
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治療費用は上あごが、コーヌステレスコープ308万円(税込)、下あごもコーヌステレスコープ308万円(税込)で616万円(税込)で全ての治療が入っており、治療期間は約1年とお伝えしました。
④患者さんからの治療依頼受託後、治療開始
患者さんとそれぞれのメリットデメリット、治療期間や費用を比べて、(B)取り外し式の入れ歯と取り外し式のブリッジ(テレスコープ義歯)で治療を行うこととなりました。
今回のテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の詳細や、治療の流れを説明しまずは今お困りの状態速やかに改善するために仮歯と仮義歯(仮の入れ歯)を装着していく流れを説明しました。
⑤仮歯の用意、装着
歯の1本1本を治療していくためには時間がかかります。
そのため、まずは見た目や、食事が取れるように少しでも改善するために、仮歯を用意して治療の2回目に全体的な仮歯を装着しました。
このような患者さんはなんとか現状を早く変えたいという方が多いので、早期に仮歯を入れることにより、患者さんは安心してくださることが多いです。
実際、この患者さんもはじめはお口の中が大きく変化したことに戸惑いがあったようですが、明らかに良くなった感じがするとお話しされていました。
しかし、食事も取れるようになり、見た目も大きく改善できているため、大変喜ばれていました。
⑥本番の歯の装着、治療終了
仮歯と仮義歯を装着し、しばらく過ごしていただいた後に、ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)の最終的な型取りを行い、ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)の試し入れを行い、見た目や噛み合わせを確認した上で最後の本番のドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)を完成させ装着していきます。
今回のテレスコープ義歯(今回は上下コーヌステレスコープ)は、二重構造になっているため、その歯に今後何かトラブルがあっても対応できる状態です。
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また、テレスコープ義歯は、就寝中も装着したままで全く問題ありません。
外側(外冠)を外すと歯にかぶせている金属が見えますが、取り外すのは、歯を磨く時のみですので、歯に像着している金属の見た目もご安心いただいています。
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食事もしっかりとれるようになり、見た目も満足していただき、先生のおかげで歯の悩みがなくなりました、というお話を聞き、私も大変嬉しく思いました。
装着後は何度か調整や確認を行った後に、定期検診および歯のクリーニングに移行しました。
今回の症例のポイント
入れ歯かインプラントか悩まれている患者さんは非常に多い実感です。
どちらが合っているかというのは、その患者さんによって異なります。
歯がボロボロの方で、ご自身にあった最善の治療を選ぶポイントは、今後歯を失わないようにはどのような治療がいいのか、そしてもし歯を失ったとしたら、どう対応できるのかを考えることが患者さんにとって重要となります。
入れ歯かインプラントで、悩まれている方は歯科医師に助言をもらう場合は、どちらかに偏らないように配慮してもらい、よくご相談されてから治療を受けることをおすすめします。
今回は、今後歯が悪くなっても作り替えや大きな治療がないように、取り外しが可能でトラブルに対応しやすいドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)のコーヌステレスコープを選択しました。
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ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)は状態によっては、非常に優れた治療方法となります。
特にインプラントは嫌で、だけども従来の入れ歯も抵抗があり、全体の歯が良くない状態の患者さんにとってはドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)が最善であると考えています。
※ただし、状態によってはドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)ができない場合もありますので、まずは状態を当院で確認しご相談を行っております。
【関連記事】テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)のよくある質問Q&Aまとめ
ただ、必ず知っていただきたいことがあります。
テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)は素晴らしい治療ですが、テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)であれば必ずうまくいくものでもありませんので注意が必要です。
【関連記事】注意!テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)で失敗後悔しないために
当院では、ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)のみならず、他の保険外入れ歯やインプラントなど、様々な治療が可能ですので、トータルの費用を抑えたい方などにも提案できますので、まずはご相談いただければと思います。
今回の患者さんとは違い、もっと歯が少なくなってしまい総入れ歯かもしれないとお悩みの方はドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)の種類の中でも今回のレジリエンツテレスコープが向いていることがあります。
レジリエンツテレスコープを詳しく知りたい方はこちらをご確認ください。
【関連記事】50代60代で総入れ歯にしたい方へ|歯が1本でも残せるならテレスコープ義歯で解決
こちらでご自身のお口の中の状態に近い患者さんの症例BEFORE、AFTERが見つかると思いますのでご参考にされてください。
【症例集】他にもたくさんの方の症例を掲載しています|歯がボロボロでもドイツ式入れ歯、テレスコープ義歯で劇的に良くなっている多数の治療実績を症例写真付きで解説。治療方法から費用まで全て掲載しています
テレスコープ義歯の治療で重要な設計と種類の選択
コーヌステレスコープを始めとするテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯、ドイツ式義歯)は医療先進国ドイツが発祥でその歴史は100年以上もあります。
日本ではまだ広く普及しておらず、普及していても本場ドイツとは異なった方法で行われている方法も散見されます。
他院でドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)を行った当院でのリカバリー治療や再治療の大半が、先生独自の方法でされている方法か、そもそもの設計に疑問を抱かざるをえない場合です。

私は全国で唯一、歯科医師のための教科書でテレスコープ義歯の内容を担当、解説執筆しています。
コーヌステレスコープにおいて重要なのは、適応症および禁忌症があるということ、そしてその設計です。
どんな症例でも適応していいのではありません。
日本ではほとんど知られていないレジリエンツテレスコープ、リーゲルテレスコープといった様々なテレスコープ義歯を適材適所に使い分けていく必要があります。
【関連記事】テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)とは?特徴、メリット、費用まで全て解説

全国の開業医や大学病院の歯科医師に向けて、テレスコープ義歯の依頼講演も多数行っております。
私は、ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)先進国ドイツの最古の、歴史あるハイデルベルク大学病院の経験ももとにして、この本場ドイツのテレスコープ義歯に関する講演や執筆も行っておりますので、テレスコープ義歯の治療においては何かしらお役にたてるかもしれません。
加えて、どんな種類の義歯かも重要ですが、適正な義歯の設計や噛み合わせのバランスへの知識と技術が極めて重要です。
【書籍紹介】ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)がよくわかるおすすめ書籍
いかがでしたしょうか。
今回は入れ歯の種類の1つであるドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)のコーヌステレスコープの実際の患者様をご紹介しましたが、入れ歯といっても数多くの種類があります。
まずは、インプラントがいいのか、入れ歯がいいのか、からのご相談でご一緒に治療方法を探していければと思います。
院長の小西浩介は、テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の治療で学会やコンペティションにおける症例発表を行い、数々の受賞歴があります。
また、歯科医師向けの依頼講演や依頼執筆を多数行なっておりますので、ご安心してご相談ください。
詳しくは、院長の小西浩介の実績紹介をご覧ください。
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テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)にご興味がある方は、ブログにも私が執筆した様々な情報を掲載していますので、こちらもご参考にされていただければと思います。
【歯のお悩みブログ】テレスコープ義歯やドイツ式入れ歯の有益な情報をまとめています
【書籍紹介】ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)がよくわかるおすすめ書籍
執筆者 このは歯科クリニック 院長 小西浩介
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